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「肝斑(かんぱん)」は、通常のシミ(老人性色素斑)とは異なり、状態に合わせた治療が必要です。
そんな肝斑治療薬として高い認知度を誇るのが、内服薬の「トランシーノ」シリーズです。
ここでは、肝斑向けのトランシーノに配合されている「トラネキサム酸」の作用メカニズムと、市販薬・クリニック処方薬の違い、当院が1日750mgを基本処方として採用している理由について解説します。
1. トランシーノが肝斑に効く仕組み(トラネキサム酸の作用)
トランシーノEXやトランシーノⅡといった肝斑向けの製品には、「トラネキサム酸」が配合されています。
トラネキサム酸は、メラニンの生成に関わる「プラスミン」の働きを抑えることで、肝斑の改善を目指す成分です。
肝斑とトラネキサム酸の関係
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 肝斑に関わる要因 | 紫外線、女性ホルモン、摩擦など、複数の要因が関わると考えられています。 |
| プラスミンの関与 | プラスミンは、メラニンを作る細胞(メラノサイト)の活性化に関わります。 |
| トラネキサム酸の働き | プラスミンの働きを抑え、メラニンの生成を抑制します。 |
トラネキサム酸は、こうした作用によって肝斑に内側からアプローチします。
2. トランシーノと処方薬の違い・当院が1日750mgを採用している理由
トランシーノと処方薬の違い

比較内容をテキストで読む
| 比較項目 | トランシーノEX | 処方薬(トラネキサム酸) |
|---|---|---|
| 1日あたりのトラネキサム酸量 | 750mg | 医師が処方量を調整。当院では750mgを基本処方として採用 |
| 服用期間 | 製品の説明文書に従う | 医師の指示に従う |
| 特徴 | ドラッグストアなどで販売 | クリニックで医師による処方 |
当院が1日750mgを採用している理由
当院では、医学的根拠(エビデンス)を参考に、患者様の状態や安全性を考慮して「1日750mg(250mgを1日3回)」を基本処方として採用しています。その根拠となる研究報告をご紹介します。
根拠となる研究データ
2023年に発表されたネットワークメタアナリシスにおいて、肝斑に対するトラネキサム酸の用量と服用期間に関する検証が行われました。
ネットワークメタアナリシスとは、複数の研究結果を統合し、異なる治療条件の効果を比較する解析手法です。
- 対象研究:肝斑患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)6件・計599名
- 解析手法:投与量ごとの改善効果を比較するネットワークメタアナリシス
- 掲載誌:Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology(2023年)
研究から得られた知見
この解析では、1日750mg(250mgを1日3回)を12週間継続する方法が、肝斑の改善における至適用量・期間として推定されました。
また、服薬の継続が難しい方には、1日500mg(250mgを1日2回)も許容される選択肢として挙げられています。
ただし、研究条件の違いや評価者による判定のばらつきなどの限界があり、すべての方に同じ効果が得られることを保証するものではありません。参考文献
当院の考え方
当院では、この研究結果を参考に、1日750mgを基本としながら、患者様の肌の状態、既往歴、併用薬、服薬の継続しやすさを確認して処方を調整しています。
効果だけでなく安全性にも配慮し、患者様ごとに適切な治療を提案することを大切にしています。
※お仕事の都合などで昼の服薬が難しく、飲み忘れが懸念される方には、ライフスタイルに合わせて1日2回(計500mg)への調整なども個別にご提案しています。
改善が見られない場合も、量が足りないと自己判断せず、肌の状態や治療内容を医師に相談してください。
服用期間は、市販薬では製品の説明文書、処方薬では医師の指示に従ってください。研究で検討された12週間という期間は、市販薬の服用期間を延ばす根拠にはなりません。
参考文献
Wang WJ, Wu TY, Tu YK, Kuo KL, Tsai CY, Chie WC. The optimal dose of oral tranexamic acid in melasma: A network meta-analysis. Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2023;89(2):189–194.
シミ・肝斑治療で迷った方へ
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シミと肝斑の違い、レーザー治療の注意点、内服・スキンケア
の順番を、美容皮膚科医の視点でわかりやすく整理しています。
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3. トランシーノと当院のトラネキサム酸の費用比較
継続して治療する際は、服用量や服用期間に加えて、費用も確認しておきましょう。
トランシーノEXと、当院で処方するトラネキサム酸について、30日分を目安に比較します。
| 比較項目 | トランシーノEX | 当院のトラネキサム酸 |
|---|---|---|
| 1日あたりのトラネキサム酸量 | 750mg | 基本処方750mg |
| 30日分の錠数 | 120錠(1日4錠) | 250mg錠を90錠(1日3錠) |
| 30日分の薬剤費 | 3,960円(税込・メーカー希望小売価格) | 1,500円(税込・当院価格) |
※トランシーノEXの実売価格は販売店によって異なります。トランシーノEXには、トラネキサム酸以外の有効成分も配合されているため、同一製剤の価格比較ではありません。製品・価格情報
併用する日常ケアの重要性
内服薬による治療と並行して、紫外線対策や摩擦を避けるケアも続けましょう。
- 紫外線対策: 日焼け止め、帽子、日傘などを活用してください。
- 摩擦の回避: 洗顔やスキンケアの際は、肝斑部分を強くこすらないようにしましょう。
ご自身の肌の状態に合った治療と日常のケアを継続することが大切です。
4. まとめ:服用量・服用期間・費用を確認して選びましょう
| 項目 | 市販薬(トランシーノEX) | 当院の処方薬(トラネキサム酸) |
|---|---|---|
| 1日あたりのトラネキサム酸量 | 750mg | 750mgを基本に医師が調整 |
| 服用期間 | 製品の説明文書に従う | 医師の指示に従う |
| 入手方法 | ドラッグストアなどで購入 | クリニックで医師による処方 |
| 30日分の薬剤費 | 3,960円(税込・メーカー希望小売価格) | 1,500円(税込・当院価格) |
市販薬を選ぶ際は、薬剤師から説明を受け、製品の説明文書に従って服用してください。
肌の状態や服用方法について個別に相談したい方は、医療機関で相談しましょう。当院では、患者様の状態やライフスタイルに合わせた治療をご提案しています。
Q&A
Q1. トラネキサム酸を服用すれば、必ず肝斑は消えますか?
A. トラネキサム酸は肝斑の改善を目指す内服薬ですが、完全に消えることを保証するものではありません。
肌の状態に適したレーザー治療を併用することで、内服だけの場合よりも改善効果が期待できます。当院では、レーザーとトラネキサム酸の内服を組み合わせた肝斑治療を行っています。
効果には個人差があるため、肌の状態や治療経過を確認しながら治療を進めます。紫外線対策や摩擦を避けるスキンケアも並行して続けましょう。
Q2. トラネキサム酸は、飲み続けて副作用の心配はありませんか?
A. 副作用として、食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状が出ることがあります。
血栓症の既往がある方や、ピルを服用中の方などは、服用前に医師へ伝えてください。
市販薬は製品の説明文書、処方薬は医師の指示に従い、自己判断で増量したり、服用期間を延ばしたりしないようにしましょう。
Q3. 肝斑治療に「トランシーノ」を選ぶメリットと「クリニック処方」を選ぶメリットを教えてください
A. トランシーノは、ドラッグストアなどで購入できる手軽さがあります。
クリニック処方では、医師に肌の状態を相談し、服用量や服用期間を個別に調整できることがメリットです。当院では、飲み忘れが懸念される場合など、ライフスタイルに合わせた服用方法もご提案しています。
