なぜ夏はシミ取り治療に向かないのか?
シミ取り治療(特にレーザーやフォト治療)は、肌のメラニン色素にダメージを与えることでシミを薄くしますが、この治療後の肌は非常にデリケートな状態にあります。
夏場に治療を避けるべき最大の理由は、 「紫外線」 と 「色素沈着のリスク」 です。
治療成功の鍵は「色素沈着」を避けること
シミ取り治療で多くの方が気にされるのが、 「炎症後色素沈着(PIH)」 です。
これは、レーザーや光による刺激が原因で肌に炎症が起こり、その防御反応として大量にメラニンが生成され、 一時的にシミが濃くなってしまう現象 です。
この色素沈着のリスクを最小限に抑えることが、シミ取り治療を成功させるための最大のポイントです。当院では、この色素沈着のリスクが高まる夏場を避け、秋〜春にかけての期間に治療を始めることを強くおすすめしています。

治療後の肌と夏の紫外線が引き起こす問題
シミ取り治療(特にレーザーやフォト治療)は、肌のメラニン色素にダメージを与えることでシミを薄くしますが、この治療後の肌は例えるなら軽い火傷を負ったような、非常にデリケートな状態にあります。
夏場に治療を避けるべき最大の理由は、 「紫外線」と「色素沈着のリスク」 が切っても切り離せない関係にあるからです。夏場の強い日差しは、治療後の肌にとって最大の敵となります。
夏にシミ取り治療を行うと、秋〜春に比べ影響が大きかったり、対処が難しい点があります。
| 問題点 | 影響 | 対処の難しさ (夏場) |
|---|---|---|
| ① 炎症後 色素沈着の リスク増加 |
治療を受けた肌が、 強い紫外線に さらされることで、 メラニンを過剰に生成 してしまい、 シミが前より濃くなる リスクがあります。 |
紫外線量が多いため、 遮光が難しい。 汗や皮脂で 日焼け止めが 流れやすい。 |
| ② 肌の乾燥と バリア機能の低下 |
治療後のデリケートな肌は、 乾燥により バリア機能が低下 し、 赤みや肌荒れを 起こしやすくなります。 |
エアコンの使用や 屋外での活動で、 肌の水分が 奪われやすい。 |
| ③ 治療の ダウンタイムが 長引く可能性 |
炎症や赤みが長引くと、 肌の回復が遅れ、 ダウンタイムが 不必要に 長くなることが あります。 |
日常生活の中で 強い日差しを 完全に避けることが 困難。 |
このように夏にシミ取りを行うことで、炎症後色素沈着が増加してしまったり、肌が乾燥しバリア機能が低下することでダウンタイムが長引いてしまうリスクがあります。治療の効果を最大限に得るためにも、リスクを避ける時期選びが大切です。
シミ取り治療を始めるなら「秋〜春」がベストな理由
肌への負担を最小限に抑え、治療効果を最大限に引き出すためには、紫外線量が落ち着く 「秋、冬、春」の期間 に治療を始めることを強く推奨します。この時期は、肌の回復がスムーズに進みやすく、治療に集中できるという大きなメリットがあります。
秋〜春の治療のメリット
秋〜春にシミ取り治療を行うメリットを各季節ごとに紹介します。
| 季節 | メリット |
|---|---|
| 秋 | 夏で濃くなったシミ の 治療を始める最適なタイミング。 紫外線量が減り始め、 肌が落ち着きを取り戻し始める。 |
| 冬 | 年間で最も紫外線量が少ない 時期。 色素沈着のリスクが最も低く、 積極的なシミ治療に集中できる。 |
| 春 | 紫外線量が急増する前の 駆け込み治療 に最適。 夏までにシミを薄くし、 紫外線対策を万全にする準備期間となる。 |
このように、シミ取りと紫外線量は大きく関係していることがわかります。
できる限り紫外線量の少ない季節にシミ取りを行うことがおすすめです。
まとめ
シミ取り治療は、適切な時期に適切なケアをすることでその効果が大きく変わります。
1.徹底した紫外線対策
治療時期に関わらず、日焼け止め(SPF30以上推奨)の塗布、帽子や日傘の使用を徹底してください。特に施術後のデリケートな肌には、物理的な遮光が最も重要です。
2.保湿ケア
治療後の肌は非常に乾燥しやすい状態です。化粧水や乳液などでしっかりと保湿し、肌のバリア機能を高めましょう。肌が潤っていると、 炎症や色素沈着のリスクを抑える ことができます。
3.内服薬の併用
医師の指導のもと、トラネキサム酸などの内服薬を併用することで、体の内側から色素沈着を抑制し、治療効果を高めることができます。これは 色素沈着予防に非常に有効 です。
当院では、肌診断を通じて、患者様のシミの種類とライフスタイルに合わせた最適な治療開始時期とプランをご提案しています。
シミの状態を正確に知りたい方、治療開始時期について詳しく相談したい方は、ぜひ一度無料カウンセリングをご利用ください。
Q&A
Q1. 夏にシミ取りをしたい場合、特に気をつけることはありますか?
A. 「徹底的な遮光」 と 「刺激の回避」 を通常以上に心がけてください。
夏の治療はリスクが高まりますが、どうしてもこの時期に治療を開始したい場合は、以下の対策を徹底することが必須です。
1.遮光の徹底
日焼け止めはSPF50/PA++++を2〜3時間おきに塗り直し、日傘、帽子、サングラス、マスクなど物理的な遮光アイテムを常に使用してください。
2.摩擦を避ける
汗を拭く際や洗顔時など、肌を強くこすったり、叩いたりする摩擦行為は、色素沈着を悪化させる最大の原因になります。
タオルで優しく押さえるように水分を拭き取ってください。
3.クールダウンと保湿
治療後は肌が熱を持っているため、保冷剤などで優しく冷やし、炎症を抑えましょう。
その後すぐに、刺激の少ない保湿剤でしっかり潤いを閉じ込めてください。
Q2. ダウンタイムのスキンケアでおすすめの成分はありますか?
A. 「保湿」 と 「炎症抑制」 に特化した成分を選びましょう。
治療後のデリケートな肌に必要なのは、 肌のバリア機能を助け、鎮静させる成分 です。
高保湿
→セラミド、ヒアルロン酸、ワセリン
抗炎症・鎮静
→グリチルリチン酸ジカリウム (有効成分として記載されることが多い)
刺激回避
→エタノール、香料、着色料が極力含まれていないもの
ビタミンC誘導体などの美白成分は、炎症が完全に治まった回復期に入ってから、医師の指示のもとで少しずつ取り入れるのが安全です。
Q3. 夏でもできるおすすめの治療法はありますか?
A. 軽度な治療であれば、肌への刺激が少ない 「レーザートーニング」 などが選択肢になります。
夏の治療で最も避けたいのは、 炎症後色素沈着のリスク です。
レーザートーニング: 低出力で広範囲にレーザーを均一に照射するため、 肌への刺激が非常に穏やか です。肝斑治療がメインですが、薄いシミやくすみを徐々に改善する効果も期待できます。
エレクトロポレーション(導入治療): 薬剤を肌深部へ浸透させる施術です。シミ取り効果はありませんが、高濃度ビタミンCやトラネキサム酸を導入することで、 紫外線ダメージから肌を守り、シミの予防・美白効果を高める ことができます。
ただし、これらの治療を行う場合でも、医師の判断で治療出力は控えめに調整し、患者様ご自身による徹底した紫外線対策が必須となります。
まずはカウンセリングにて肌状態をチェックさせてください。