「保険のニキビ薬(ベピオ、ディフェリンなど)は、赤みや皮むけが酷くて続けられなかった…」
「妊娠中・授乳中だから、ニキビ治療を諦めている」
「何をしても、赤ニキビやニキビ跡がなかなか治らない」
このようなお悩みをお持ちの方に、ぜひ知っていただきたいのが「アゼライン酸」という成分です。

アゼライン酸とは?
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物に含まれている天然由来の酸(飽和ジカルボン酸)です。もともとは美白作用(シミ治療)の研究過程で、ニキビへの高い効果が発見されました。
天然由来の成分であるため、他のニキビ治療薬と比較して 肌への刺激(赤み、皮むけ、乾燥)が非常にマイルド なのが最大の特徴です。
ニキビに効く!アゼライン酸の「4つの作用」
| アゼライン酸の作用 | 具体的な効果(ニキビへの働き) | 改善が期待できるニキビ |
|---|---|---|
| ① 角化の 抑制作用 |
毛穴の出口の角質が厚くなる(角化異常) のを防ぎます。 毛穴の詰まりを解消 し、 ニキビの初期段階を防ぎます。 |
白ニキビ・ 黒ニキビ (=コメド・面皰) |
| ② 皮脂の 分泌抑制作用 |
皮脂腺の働きを抑え、ニキビの餌となる 過剰な皮脂の分泌をコントロール します。 |
全てのニキビ (特に脂性肌の方) |
| ③ 抗菌活性 | ニキビの原因菌である アクネ菌の 増殖を抑えます 。 |
赤ニキビ (炎症性ニキビ) |
| ④ 抗炎症作用 | 炎症を引き起こす活性酸素を除去し、 今ある ニキビの炎症(赤み・腫れ)を 鎮めます 。 |
赤ニキビ (炎症性ニキビ) |
このように、アゼライン酸は「毛穴の詰まり」から「赤ニキビ」まで、あらゆるニキビに対して効果を発揮します。
さらに、メラニンの生成を抑える「美白作用」も併せ持つため、ニキビだけでなく、ニキビが治った後の「色素沈着(ニキビ跡のシミ)まで同時にケアできるのが大きな強みです。
プロが解説!アゼライン酸はこんな方におすすめです
アゼライン酸は、特に以下のようなお悩みを持つ方に最適な治療薬です。
1.既存のニキビ薬(保険薬)が合わなかった方
アダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル(ベピオ)などで、強い乾燥、赤み、皮むけ、ヒリヒリ感が出てしまい、治療を断念した経験はありませんか?アゼライン酸は、これらの薬剤とは異なる作用機序を持ち、刺激感が非常にマイルドなため、敏感肌の方でも継続しやすい治療法です。
2.妊娠中・授乳中でニキビ治療ができない方
多くのニキビ治療薬(特に内服薬)は、妊娠中・授乳中は使用できません。アゼライン酸は天然由来の成分で、催奇形性(胎児への影響)のリスクが極めて低いとされており、妊娠中・授乳中でも安全に使用できる数少ない選択肢の一つです。(※必ず医師の診断のもとでご使用ください)
3.ニキビとニキビ跡(色素沈着)を同時にケアしたい方
前述の通り、アゼライン酸には美白効果があります。「赤ニキビ」と「茶色いニキビ跡」が混在している肌にも、これ1本でアプローチが可能です。
4.長期間、安全にニキビ予防を続けたい方
抗生剤(抗菌薬)を長期間使用すると、薬剤耐性菌(薬が効かなくなること)のリスクがありますが、アゼライン酸にはその心配がありません。そのため、ニキビが改善した後も、再発予防のためのメンテナンスとして安心して長くお使いいただけます。
アゼライン酸の注意点(副作用)
安全性の高いアゼライン酸ですが、使用開始後1〜2週間程度、一時的に以下のような症状が出ることがあります。
・一時的な刺激感(ピリピリ、チクチク)
・かゆみ、ほてり感
・軽度の乾燥
これらは多くの場合、肌が成分に慣れるまでの一時的な反応です。数日〜2週間ほど継続使用するうちになじんでくることがほとんどですが、赤みや刺激が続く場合は使用を中止し、医師にご相談ください。
まとめ
アゼライン酸は、「ニキビの毛穴詰まり」「皮脂」「アクネ菌」「炎症」という4つの原因にしっかりアプローチしながらも、肌への負担が少なく、長期的に使用できる優れた治療薬です。
「私のニキビにも効くのかな?」
「今使っている薬が合わない気がする」
当院では、ニキビの種類や肌質、ライフスタイル(妊娠・授乳など)を詳細にカウンセリングし、アゼライン酸を含めた最適な治療プランをご提案いたします。
Q&A
Q1.使い始めにピリピリ、チクチクとした刺激感があります。大丈夫でしょうか?
A.記事本文にもある通り、それはアゼライン酸を使用する際によく見られる反応ですので、ご安心ください。
多くの場合、肌が成分に慣れてくることで、2週間ほど継続使用するうちに自然とおさまっていきます。
【刺激が気になる場合の対処法】
もし刺激が強く感じる場合は、以下の方法をお試しください。
使用頻度を減らす : 毎晩ではなく、1日おき(隔日)の使用から始め、徐々に肌を慣らしていく。
保湿剤の後に塗る : 化粧水や乳液などでしっかり保湿をして肌のバリアを整えた「後」に、アゼライン酸を塗ることで、刺激を緩和できます。
それでも赤みや刺激が強く続くようであれば、一度使用を中止し、当院までお気軽にご相談ください。
Q2.どのくらいの期間使えば、効果を実感できますか?
A.ニキビ治療は、肌のターンオーバーを整えながら根本から改善していくため、ある程度の期間が必要です。
効果の現れ方には個人差がありますが、早い方では使用開始から4週間(約1ヶ月)ほどで、皮脂の減少や新しいニキビができにくくなるといった変化を感じ始めます。
より明らかな効果、特に赤ニキビの減少や色素沈着(ニキビ跡)の改善を実感いただくには、最低でも3ヶ月程度は継続してご使用いただくことを推奨しています。
アゼライン酸は、抗生剤(抗菌薬)と違って「薬剤耐性菌」の心配がないため、ニキビが改善した後も、再発予防のメンテナンスとして長期間安心して続けられるのが大きなメリットです。焦らず、毎日のケアとしてじっくりと取り組んでいきましょう。