LDM（Localized Dynamic Micro-massage） は、高密度の特殊な超音波を利用し、肌の細胞レベルに働きかけるトリートメント技術です。
美容分野で「LDM」と称される機器には、大きく分けて「医療用」と「エステ用」の2種類が存在します。
両者の違いは、単なる場所の違いではなく、「機器の性能・法的規制」と「得られる効果の深度」にあります。
医療用LDM機器 (クリニック)
医師や看護師が取り扱う医療機関のLDMは、 治療 と 本格的な肌質の根本改善 を目的とします。
| 区分 | 定義と特性 |
|---|---|
| 法的区分 | 薬機法上の 医療機器 として 国に承認されている。 |
| 出力 レベル |
エステ機器よりも 高出力 設定が可能。 より深い層（真皮層）へ 強力に作用させる。 |
医療用は高出力ですが、LDMは熱を発生させないため、「高出力＝刺激が強い」ということではありません。
高出力であることで、 難治性のトラブル改善 や、より確実な コラーゲン・ヒアル酸の生成促進 が期待できます。
【施術の目的と期待効果】
主な目的：治療行為 （ニキビ、慢性的な赤みの鎮静、ダウンタイム軽減）や、 肌質の根本的な強化 。
取り扱い： 医療資格者（医師・看護師）が肌の状態に応じて 細かく設定を調整 し、治療計画を立てる。
エステ用LDM機器 (エステサロン)
エステティシャンが使用する機器は、 リラクゼーションと表面的な美容メンテナンス を目的として設計されています。エステサロンで利用されるLDM機器は、 医療行為を行うことを前提としていません 。
そのため、安全性が最優先される設計となっているのが特徴です。
| 区分 | 定義と特性 |
|---|---|
| 法的区分 | 美容機器扱い。 医療機器のような 厳しい規制がない。 |
| 出力 レベル |
医療機器と比べて低出力設定。 安全性を最優先し、 肌への作用は穏やか。 |
エステ機器は低出力であるため、肌の構造自体を大きく変える作用は期待できません。
効果は主に 肌表面の潤い補給 や、 即時的なトーンアップ といった美容目的のメンテナンスに留まります。
【施術の目的と期待効果】
主な目的：リラクゼーション、肌の表面ケア、潤い補給 、美容成分の浸透補助。
取り扱い： 非医療資格者が使用するため、出力設定の幅が狭く、 画一的な施術 になりやすい。
まとめ
LDMトリートメントを選ぶ際は、ご自身の「目的」と「期待する効果の深度」を明確にしましょう。
根本改善・治療優先の場合： 医療用LDM を選択。医師の管理下で高出力の恩恵を受け、肌トラブルの解決を目指します。
日常のメンテナンス・リラックス優先の場合： エステ用LDM を選択。穏やかな作用で、負担なく肌の潤いやツヤを維持できます。
Q&A
Q1. LDMはクリニックとエステで効果に大きな差がありますか？
A. はい、 期待できる効果の深度に大きな差があります 。
医療用は高出力で肌の深い層に作用するため、慢性的な炎症の鎮静やバリア機能の根本強化など、 治療レベルの改善 が可能です。
エステ用は穏やかな作用のため、主に 潤い補給や表面的なトーンアップ の維持に留まることが一般的です。
Q2. 医療用LDMの方が刺激が強くてダウンタイムがありますか？
A. いいえ、LDMは医療用であっても熱やダウンタイムを伴う施術ではないため、 刺激は非常に穏やか です。
医療用の高出力は「肌を傷つける」ためではなく、「より深い層の細胞に、より確実にエネルギーを届ける」ために使われます。
Q3. 医療用LDMを受ければ、エステでのケアは不要になりますか？
A. 医療用LDMで肌の土台は強化されますが、 日常のメンテナンスは依然として重要 です。
エステでのLDMは、 医療機関での治療と治療の間のつなぎ として、肌への負担をかけずに潤いや血行を維持するのに適しています。
