肝斑は、自然に完全に消えることは難しいシミ です。
まず最初に取り組むべきは 、
トラネキサム酸内服+紫外線・摩擦の徹底対策 です。
そして、状態を整えながら トーニング、トラネキサム酸導入、シルファーム(マイクロニードルRF) などを段階的に組み合わせることで、 じわっと薄く、滑らかに整っていきます。
いきなり強いレーザーを当てると、逆に悪化することもあります。
肝斑は”攻めの治療”ではなく、”守りの治療”が重要です。

| 治療 | 方法 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| トラネキサム酸内服 ※第一選択 |
メラニン生成と 炎症を抑える内服治療 |
肝斑を薄くする くすみ・色ムラ改善 |
| トーニング | 弱出力レーザーを 広範囲に照射 |
肝斑の均一化 透明感UP 色ムラ改善 |
| トラネキサム酸導入 (イオン導入 /エレクトロポレーション) |
肌に薬剤を 浸透させ 炎症を抑える |
炎症鎮静 くすみ改善 |
| シルファーム (マイクロニードルRF) |
微細針+RFで 炎症を抑えつつ 肌質改善 |
肝斑改善 赤み改善 毛穴・ハリUP |
肝斑が自然に消えにくい理由
肝斑の肌は、 メラニンを作る細胞(メラノサイト)が“過敏に反応しやすい状態 になっています。
・紫外線
・摩擦(洗顔・クレンジング、マスク擦れ、メイク)
・ホルモン変動
・熱刺激(過度なスキンケア、強いレーザー)
といった ごくわずかな刺激 でもメラニンが過剰に産生され、色素が定着しやすくなります。
つまり、肝斑は 時間とともに自然に薄くなるタイプのシミではありません 。
肌が常に“炎症が起きやすく、色が濃くなりやすい状態”なので、 まずは 刺激を減らし、炎症を落ち着かせること が最優先です。
なぜトラネキサム酸が第一選択なのか
肝斑治療ではまず、トラネキサム酸内服が第一選択です。
これは日本の肝斑治療ガイドラインでも推奨されている、医学的エビデンスのある治療です。
トラネキサム酸は、メラニンを作る細胞(メラノサイト)の“スイッチ”を入りにくくし、同時に炎症反応を抑える働きがあります。
期待できる作用
・メラニン生成の抑制
・肌内部の炎症を沈める
・くすみ・色ムラ改善、肌の均一感アップ
「色を壊す」のではなく、 メラニンを作らせない状態に戻す 根本治療ができるのがポイントです。
そのため、 まだ炎症がくすぶっている状態でいきなり強いレーザーを当てると、
逆に肝斑が濃くなる可能性があります。
まずは内側の炎症を整えて、メラノサイトを静かに落ち着かせること。
それが肝斑治療の正しいスタートラインです。
肝斑治療の優先順位
肝斑治療の基本は、 鎮静 → 均一化 → 肌質強化です。 肝斑は 順番が結果を左右 します。
正しい順番
| ステップ | 内容 | 理由/ポイント |
|---|---|---|
| Step1 | トラネキサム酸内服 +ビタミンCなど |
メラノサイトの過敏状態を鎮静まず “反応しやすい肌”をリセット |
| Step2 | 摩擦・紫外線対策 | 悪化因子をブロックスキンケアは “こすらない・守る”が基本 |
| Step3 | 弱刺激の施術 (トーニング/導入) |
ゆっくりトーンを整える メラニンを 少しずつ均一に |
| Step4 | シルファーム (マイクロニードルRF) |
肌質から底上げ肝斑 +毛穴・赤み・ハリ改善 |
NGな順番(悪化しやすい例)
| NG例 | なぜダメ? |
|---|---|
| いきなり高出力レーザー | 炎症悪化 →肝斑濃くなるリスク |
| ピーリング/ 高濃度レチノール多用 |
刺激 →メラノサイトが再び活性化 |
| ゴシゴシ洗顔・摩擦ケア | 慢性刺激 →改善が進まない |
肝斑は“ 攻めたら負ける” シミです。
肝斑治療の経過について
肝斑は、 炎症とメラニン産生のスイッチが入りやすい状態 のため、
「攻める治療で一気に消す」より、
じっくり鎮静→均一化→肌質改善 の順で進めていきます。
そのため、 焦らないことが成功のポイント 。
一度に消そうとするのではなく、徐々に薄くするイメージです。
肝斑治療の経過目安
| 期間 | 肌の変化 | 補足ポイント |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | くすみが軽くなる 全体のトーンが やや明るく感じる |
メラニン産生が落ち着き始める 「なんとなく良い」が最初のサイン |
| 2〜3ヶ月 | 肝斑の輪郭がぼやけてくる 肌が均一に見えやすくなる |
内服+低刺激施術の“相乗効果”が 出てくる時期 |
| 3〜6ヶ月 | 色ムラが安定 透明感・質感が改善 肌の“影”が消えて見える |
深部の炎症沈静が進み、 再発しにくい状態へ |
Q&A
Q1. 肝斑とシミって別ものですか?
A. どちらも色素沈着の一種ですが、 原因も治療も異なります。
肝斑はホルモン・摩擦・炎症が関与し、 刺激に弱く、レーザーで悪化することも 。
一方、老人性色素斑などの“いわゆるシミ”は、ピンポイントレーザーが効くことが多いです。
Q2. いきなりレーザーで取れますか?
A. 高出力レーザーはNG です。
肝斑が悪化するリスクがあります。
まずは炎症を抑え、肌の状態を整える治療から行います。
Q3. トラネキサム酸ってずっと飲んでいいですか?
A. まずは 3ヶ月 。
その後は、 医師と相談しながら継続 します。
血栓リスクがある方は注意が必要です。
Q4. 肝斑と普通のシミが混ざっていると言われました
A. その場合、 肝斑を落ち着かせてから シミ取りレーザーを行います。
治療順序がとても大切です。