春の訪れとともに肌荒れに悩む方が急増しますが、肌のトラブルはスギ花粉だけでなく、秋のブタクサなど一年中飛散するアレルゲンでも起こります。
この記事では、 花粉などが原因で起こる「花粉皮膚炎」 に対し、保険診療による炎症の鎮静と、 肌のバリア機能を根本から修復するLDM(高密度超音波 )集中ケアを組み合わせた、美容皮膚科ならではの治療戦略を徹底解説します。

1. なぜ花粉で肌荒れが起こるのか?
花粉による肌荒れが起こる主な原因は、以下の2つです。
1.1. 肌のバリア機能の低下
冬の乾燥や、花粉シーズンの寒暖差によって、 肌のバリア機能 が低下し、肌表面の角質層が乱れやすくなります。
1.2. アレルゲンの侵入と刺激
バリア機能が低下した肌は、外部からの刺激(花粉、ほこり、PM2.5など)を通しやすくなります。
アレルゲンである花粉が肌に付着し侵入すると、体内の免疫細胞が過剰に反応し、 かゆみ 、 赤み 、 炎症 といった症状を引き起こします。
2. 症状別 おすすめの治療プラン
花粉皮膚炎の症状は、その日の肌状態やアレルギー反応によって異なります。
まずは炎症を抑えることが最優先です。
花粉による肌荒れの治療は、まず炎症を抑えることが肝心です。
当院では、肌のバリア機能の 「保湿」 に加え、 「内服薬」「外用薬」 といった保険診療のアプローチと、肌の修復力を高める 「集中ケア(LDM)」 を組み合わせて行います。
| 治療の柱 | 内容 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| ① 保湿 |
高保湿剤 による スキンケア指導 |
乱れたバリア機能を 回復・強化 し、 外部刺激をブロック |
| ② 内服薬 |
抗ヒスタミン薬 (アレルギーを抑える薬) の内服 |
身体の内側から かゆみ・炎症反応を 鎮静 させる |
| ③ 外用薬 |
ステロイド外用薬 (保険適用)の塗布 |
症状が出ている部分の 強い炎症・赤み を迅速に抑える |
| ④ 集中ケア |
LDM (高密度超音波)の 施術(自費) |
細胞レベルで 炎症を鎮静 し、 コラーゲン生成 を促進 |
このように、治療は単なる保湿や内服だけにとどまりません。
特に症状が重い場合は、炎症を素早く鎮静させる保険診療と、肌の基礎力を高める美容皮膚科の治療を組み合わせることで、つらいシーズンを快適に乗り切ることが可能になります。
3. LDM(高密度超音波)集中ケアとは?
LDM(Local Dynamic Micromassage)は、 低出力の超音波を高速で切り替えながら肌に照射する、肌に優しく即効性のあるトリートメント です。
肌に摩擦や熱を加えることなく、以下の効果により、炎症で敏感になった肌の早期修復を強力にサポートします。
3.1. 炎症の鎮静
特殊な超音波が細胞の働きを調整し、 炎症の原因となる物質 を排出。かゆみや赤みを素早く落ち着かせます。
3.2. ヒアルロン酸・コラーゲンの増加
肌のハリや弾力に必要な ヒアルロン酸 や コラーゲンの生成 を促進。これにより肌の水分保持能力が向上し、弱った バリア機能そのものを内側から強化 します。
3.3. ダウンタイムなし
肌表面への負担がほとんどなく、施術直後からメイクや通常の生活が可能です。特に 炎症が強い時期 のケアとして最適です。
4. 日常生活で気をつけるべきこと
治療と並行して、以下のセルフケアを徹底することも肌荒れ改善の鍵となります。
徹底した保湿 : 洗顔後や入浴後はすぐに保湿剤を塗り、水分が蒸発しないようフタをします。
肌に触れない : かゆくても掻かない(刺激により炎症が悪化します)。帰宅後すぐに顔を洗い、肌に付着した花粉を洗い流しましょう。
摩擦の軽減 :洗顔時やタオルで顔を拭くときは、絶対に擦らず優しく押さえるようにしてください。
紫外線対策 : 敏感な時期でも紫外線はバリア機能をさらに低下させます。低刺激性のノンケミカルの日焼け止めを使用しましょう。
まとめ
花粉による肌荒れの治療は、 症状の進行度や重さに合わせてアプローチを変えること が重要です。
ここでは、お客様の肌の状態に合わせて、保険診療から美容治療へスムーズに移行し、肌を根本から強くしていく当院の具体的な治療ステップをご紹介します。
| 症状の状態 | 主な治療アプローチ |
|---|---|
| かゆみ・ 赤みが強い (急性期) |
保湿 + 抗ヒスタミン内服 + ステロイド外用 (保険)で 炎症を迅速に鎮静 |
| 症状が 落ち着いて きた時期 |
保湿 + LDM集中ケア (自費)で バリア機能を根本から修復・強化 |
| 予防・ メンテナンス期 |
LDM を定期的に継続し、 アレルギーに負けない強い肌を育成 |
花粉皮膚炎は、放置すると慢性的な肌トラブルに発展する可能性があります。
症状が強い急性期は 保険診療 で速やかに炎症を抑え、落ち着いてきたら LDM でバリア機能を修復・強化する。
この段階的な治療により、揺らぎにくい肌を目指しましょう。
Q&A
Q1. LDM(高密度超音波)は、花粉による肌荒れがひどい時でも受けられますか?
A1. はい、もちろんです。
LDMは肌に熱や強い刺激を加えず、細胞レベルで炎症を鎮静させる働きがあるため、赤みやかゆみが強い急性期にも適しています。
ただし、極端にジュクジュクしている部位や、医師が不適当と判断した場合は、まず保険診療の外用薬で炎症を落ち着かせてからの施術をご提案することもあります。
Q2. 慢性的なニキビがありますが、花粉対策としてLDMの施術を受けても大丈夫ですか?
A2. はい、大丈夫です。
花粉による肌荒れとニキビの両方の改善を目指せるため、むしろ積極的におすすめしています。
Q3. LDMは保険適用ですか?また、どのくらいの頻度で通う必要がありますか?
A3. LDMは美容目的の治療となるため、保険適用外(自費診療)となります。
また、 症状が落ち着くまで、最初は週に1回程度の施術をおすすめしています。