シミ・肝斑治療の主流はピコレーザーですが、近年 ダウンタイムとリスクを抑えたMIINレーザー が注目されています。
同じシミ取りでも、 アプローチ方法と肌への優しさ が大きく異なります。
MIINレーザーの「複数回かけて優しく薄くする」メカニズムとピコレーザーとの違いを解説します。

1. シミ取りレーザーの2つのアプローチ
シミ治療におけるピコレーザーとMIINレーザーの根本的な違いは、メラニン色素へのアプローチ方法にあります。
➀ピコレーザーの「強力な破壊」アプローチ
ピコレーザーは、非常に短い「ピコ秒(1兆分の1秒)」という単位で強力なエネルギーを一気に照射し、メラニン色素を粉砕します。
・目標: 1回の施術でシミを確実に破壊し、短期間で結果を出す。
・結果: シミは早く取れるが、強い熱エネルギーによるダウンタイムが発生する。
②MIINレーザーの「優しく段階的な排出」アプローチ
MIINレーザーは、ピコレーザーよりもさらにマイルドなエネルギーで、ターゲットとなるメラニン色素に複数回アプローチします。
・目標: 強い刺激を避け、肌の ターンオーバーを正常化 させながら、メラニンを徐々に体外へ排出させる。
・結果: 複数回(5〜6回)の継続が必要だが、 低刺激で安全 にシミを薄くできる。
2. ピコレーザーとMIINレーザーを徹底比較
シミ治療における両者の特性を、痛み、ダウンタイム、リスクという観点から比較します。
| 項目 | ピコレーザー (スポット・強力) |
MIINレーザー (低刺激・継続) |
|---|---|---|
| 施術回数 と期間 |
1〜2回 で 濃いシミを取り切る。 |
5〜6回 かけて徐々に薄くしていく。 |
| 痛み | 輪ゴムで弾かれるような 強い痛み がある。 麻酔が必要な場合が多い。 |
チクチクする程度 。 痛みが少なく、麻酔は不要。 |
| ダウンタイム | 必須 (かさぶたや強い赤み) 1週間〜10日程度。 |
ほぼなし 。 直後からメイク可能。 |
| 肝斑への 適用 |
原則不向き 。 悪化させるリスクがある。 |
非常に適している 。 低刺激で悪化リスクが低い。 |
| 色素沈着 リスク |
高い (炎症後色素沈着が 起こりやすい) |
低い 低出力のため肌負担が少ない。 |
3. MIINレーザーの最大のメリット:ダウンタイムとリスクの最小化
MIINレーザーは、特に「ダウンタイムやリスクを避けたい」方にとって、非常に優れた選択肢となります。
① 痛み・ダウンタイムをほぼゼロに
MIINレーザーは 低出力 で 痛み・炎症を最小限 に抑え、 ダウンタイムがありません 。 施術直後からメイク可能 で、日常生活に影響なくシミ治療を進められます。
② 肝斑があっても安心して治療可能
ピコレーザーは 肝斑悪化リスク がありますが、MIINレーザーは 低刺激 で、 肝斑とシミ治療を安全に同時進行 できます。
③ 色素沈着(PIH)が残りづらい
従来のレーザーで懸念された 炎症後色素沈着(PIH)は強い熱が原因です。
MIINレーザーは炎症を抑えるため、 PIHのリスクが非常に低く 、安心です。
4. まとめ:MIINレーザーを選ぶべき人とは
MIINレーザーは、「時間をかけても良いから、痛みやダウンタイム、そして色素沈着のリスクを最小限に抑えたい」という方に最適な治療法です。
| MIINレーザー が最適な人 |
ピコレーザー(スポット)が最適な人 |
|---|---|
| 肝斑 と シミが 混在 している。 |
老人性色素斑 が主である。 |
| 治療後に かさぶたを 作れない 。 ダウンタイムを 避けたい。 |
1回で早く シミを取り切りたい。 |
| 痛み刺激が 苦手で、 麻酔なしで 治療したい 。 |
継続的な通院 が難しい。 |
ご自身の肌質、お悩み、そしてライフスタイルに合わせて、最適なシミ治療法を選択しましょう。
Q&A
Q1. MIINレーザーは、濃く目立つシミにも5〜6回で必ず効果が出ますか?
A. 濃いシミにも効果は期待できますが、ピコスポットのような劇的な即効性はありません。
MIINレーザーは「徐々に薄くする」アプローチのため、濃く目立つシミ(老人性色素斑など)であっても、 5〜6回 の継続でメラニンを排出していきます。
ただし、ピコレーザーのスポット照射より効果の現れ方はゆっくりです。
特に濃いシミを早く取りたい場合は、ダウンタイム覚悟でピコスポットを検討する必要があります。
Q2. 肝斑治療を同時に行いたい場合、MIINレーザーとピコトーニングはどちらが良いですか?
A. どちらも適していますが、より低刺激で色素沈着リスクを避けたい場合はMIINレーザーが推奨されます。
MIINレーザーもピコレーザーのトーニングモードも、低出力で肝斑を悪化させずに治療できます。
しかし、MIINレーザーは熱による炎症を極限まで抑えるため、 炎症後色素沈着(PIH)のリスクが非常に低く 、敏感肌の方や過去にレーザーで色素沈着を起こした方には、MIINレーザーが特におすすめされます。
Q3. MIINレーザーでシミ治療中も、特別なホームケアが必要ですか?
A. はい、レーザーの種類にかかわらず「紫外線対策」と「保湿」は必須です。
MIINレーザーはリスクが低いとはいえ、レーザー後の肌はデリケートな状態です。 新しいシミや色素沈着を防ぐために、 SPF30以上の日焼け止め を毎日塗布することが最も重要です。
また、肌のターンオーバーをサポートし、メラニンの排出を促すために、 高保湿 や美白成分を併用すると、治療効果をさらに高めることができます。