近年、美容医療の世界で注目を集めているのが「ピコレーザー」です。
従来のレーザー治療よりも短い「ピコ秒(1兆分の1秒)」という単位でレーザーを照射することで、肌への負担を最小限に抑えつつ、高い効果を発揮します。
従来のレーザーは熱でメラニンを破壊していましたが、ピコレーザーは熱ではなく衝撃波(光音響効果)でメラニン色素を砂のように細かく砕くのが特徴です。
この技術により、これまで治療が難しかったシミや肝斑、くすみなど、さまざまな肌悩みに対応できるようになりました。

| 照射 モード |
主な目的 | ターゲットとなる 肌悩み |
|---|---|---|
| ピコ スポット |
濃いシミの 除去 |
濃いシミ、 そばかす、 ADM(アザの 一種) |
| ピコ トーニング |
全体的な美白 ・肝斑治療 |
肝斑、 全体的な色素 沈着、くすみ |
| ピコ フラクショナル |
肌質改善・ ニキビ跡治療 |
ニキビ跡、 毛穴の開き、 小ジワ |
【 ピコレーザー】3つの照射モードを徹底比較
1. ピコスポット:ピンポイントで濃いシミを狙い撃ち!
濃く目立つシミやそばかすを短期間で除去したい方向けの治療法 です。
高出力のレーザーを集中して照射し、メラニン色素を細かく粉砕します。多くの場合、 1〜2回の照射で大きな効果 が期待できます。
炎症後色素沈着のリスクを避けるため、 アフターケア(保湿、紫外線対策)が非常に重要 です。
2.ピコトーニング:肝斑やくすみまで、肌全体のトーンアップに
肝斑、全体的なくすみ、薄い色素沈着の改善、肌全体のトーンアップに効果的 です。
低出力のレーザーを広範囲に均一に照射することで、肌への刺激を抑えながら、メラニンを少しずつ分解していきます。
肝斑を悪化させずに治療できる のが最大のメリットです。
通常、2〜4週間に一度のペースで、複数回(5回〜10回程度)の継続治療が必要です。
3.ピコフラクショナル:毛穴・ニキビ跡に!肌の奥から生まれ変わる
毛穴の開き 、 ニキビ跡の凹凸(クレーター) 、小ジワ、肌のハリ感アップなど、肌の質感そのものを改善します。
レーザーを点状に照射し、皮膚の内部(真皮層)にLIOB(Laser-Induced Optical Breakdown)という微細な空洞を作り、コラーゲン生成を促進します。
従来のフラクショナルレーザーよりもダウンタイムが短いのが魅力です。
ピコレーザーで改善が期待できる具体的な肌悩み
ピコレーザーは、シミ・肝斑・くすみ以外にも幅広い肌悩みに対応できます。
| 肌悩み | 対応する 照射モード |
期待できる 効果 |
|---|---|---|
| 濃いシミ・ そばかす |
ピコ スポット |
メラニンを粉砕し、 シミを薄く・ 除去する |
| 肝斑 | ピコ トーニング |
低刺激でメラニンを 徐々に排出し、 症状を改善する |
| くすみ・ 色ムラ |
ピコ トーニング |
肌全体のトーンを 均一にし、 明るくする |
| 毛穴の 開き |
ピコフラクショナル | コラーゲン生成を 促し、毛穴を 引き締める |
| ニキビ跡 (凹凸) |
ピコフラクショナル | 凹凸を改善し、 滑らかな肌へ導く |
| タトゥー・ アートメイク除去 |
ピコ スポット |
色素を細かく破砕し、 除去・薄くする |
肌悩み別!ピコレーザーの主な効果(詳細)
ピコレーザーの3つのモードを使い分けることで、以下のような肌悩みに対して効果が期待できます。
効果 1:濃いシミ・そばかすの除去
ピコスポット で高出力の衝撃波を集中させることで、メラニンを効率よく粉砕し、シミを薄くしたり除去したりします。
効果2:肝斑の改善
ピコトーニング の低刺激な照射は、肝斑を刺激せずにメラニンを徐々に体外へ排出させ、症状を改善に導きます。
効果3:くすみ・色ムラの解消
ピコトーニング を顔全体に照射することで、肌のトーンを均一にし、全体的な色素沈着やくすみを解消して肌を明るくします。
効果4:毛穴の開き・ニキビ跡の凹凸改善
ピコフラクショナル が真皮層のコラーゲン生成を促すことで、開ききった毛穴を引き締めたり、ニキビ跡の凹凸(クレーター)を改善し、滑らかな肌質へと導きます。
効果5:タトゥー・アートメイクの除去
ピコスポット は、従来のレーザーでは難しかった様々な色の色素を細かく破壊し、除去したり薄くしたりするのにも適しています。
まとめ
ピコレーザーは、「ピコ秒」という短い照射時間で衝撃波を発生させ、メラニンを細かく粉砕する次世代の美容医療機器です。
・ピコスポット :濃いシミ・そばかすの除去
・ピコトーニング :肝斑・くすみ・全体美白
・ピコフラクショナル :毛穴・ニキビ跡・肌質改善
このように、3つのモードを使い分けることで、従来の治療では難しかった多様な肌悩みに対応できます。
ご自身の肌状態や悩みに合わせ、適切な照射モードを選択し、理想の美肌を目指しましょう。
Q&A
Q1. 治療中の痛みやダウンタイムはどれくらいですか?
A. 痛みは、照射モードによって異なります。
ピコスポット は、輪ゴムで弾かれたようなチクッとした痛みを感じることがあります。
ピコトーニング や ピコフラクショナル は、一般的に痛みが少なく、温かい感じや軽い刺激程度です。
ダウンタイムについても照射モードで異なり、ピコトーニングやピコフラクショナルはほとんどありませんが、ピコスポットは濃いシミの部分にかさぶたができ、剥がれるまでに数日〜1週間程度かかります。
Q2. 肝斑がある場合でも、シミ治療はできますか?
A. 治療できますが、注意が必要です。
肝斑は刺激に弱いため、従来の高出力レーザーは禁忌とされていました。しかし、ピコレーザーの ピコトーニング は、肌に刺激を与えにくい低出力で照射するため、 肝斑を悪化させることなく、安全に治療を進めることが可能 です。
多くの場合、ピコトーニングで肝斑を改善しつつ、濃いシミには経過を見ながらピコスポットを組み合わせて治療していきます。
Q3. 1回の治療で効果は出ますか?
A. 効果の感じ方は照射モードと肌悩みによります。
ピコスポット は、濃いシミに対して1回の治療で大きな変化を実感しやすいです。
ピコトーニング や ピコフラクショナル は、穏やかに肌を改善していくため、シミや肝斑、くすみ、毛穴の改善には、回数を重ねる(5回〜10回程度)ことで、より高い効果が期待できます。