ここの記事では、安全かつ確実にシミのない美しい肌を手に入れるために、
ピコレーザーの特性と、「賢いシミ治療の進め方」を徹底解説します。

「シミ取り放題」メニューで知っておくべき主なリスク
| リスク/ 副作用 |
内容 | 対策・ 注意点 |
|---|---|---|
| 炎症後 色素 沈着 |
一時的にシミが 濃くなる。通常3 〜6ヶ月で薄く なるが、長引く 可能性もある。 |
徹底した 紫外線対 策 、患部 を 擦らな い |
| かさ ぶた |
スポット照射後 にできる。無理 に剥がすと色 素沈着の原因 になる。 |
自然に剥 がれる の を待つ (約1週間) |
| 赤み・ 腫れ |
施術直後から 数時間〜数日 、ほてりや 赤みが 生じる。 |
ほとんど の場合、 時間経過 で落ち 着く。 |
| 肝斑の 悪化 |
肝斑に高出力 で照射すると、 かえって悪く なること がある。 |
事前の 正確なシ ミ診断 が 必須。 |
| 色素 脱失 (白 斑) |
まれに肌の 一部が白く 抜けて しまう。 |
過剰な 照射を 避ける。 |
リスク1:炎症後色素沈着のリスク
レーザー治療の最も一般的な副作用の一つが、炎症後色素沈着(PIH)です。
レーザーの刺激によって皮膚が炎症を起こし、一時的にシミが施術前よりも濃く、黒っぽく見える状態になることがあります。
ピコレーザーは、比較的色素沈着のリスクが低いとされますが、「シミ取り放題」のような広範囲の施術では、肌への負担が増し、このリスクが高まることがあります。
ほとんどの場合、3〜6ヶ月かけて徐々に薄くなりますが、この期間の 徹底した紫外線対策 と、医師から処方されるハイドロキノンなどの美白剤の使用が極めて重要です。
また、患部を絶対に 擦らない ようにしましょう。
リスク2:かさぶた・赤み・腫れの発生
スポット照射を行った場合、シミの部分が反応して一時的に濃くなり、その後 かさぶた となって剥がれ落ちるという経過をたどります。
また、施術直後には 赤み や 腫れ 、 熱感 が生じることがあります。
かさぶたは皮膚の修復過程で自然にできるものですが、 無理に剥がすと色素沈着の原因になる ため、およそ1週間で自然に剥がれるのを待ちましょう。
赤みや腫れは時間とともに落ち着きます。
リスク3:肝斑(かんぱん)悪化のリスク
すべてのシミにレーザーを当てて良いわけではありません。
特に 肝斑 というシミは、レーザーの強い刺激を加えると、かえって悪化してしまう性質があります。
もし「シミ取り放題」を選ぶ際、 事前の正確なシミ診断 が非常に重要です。
肝斑は刺激の少ない ピコトーニング や内服薬・外用薬での治療が推奨されるため、自分のシミの種類を必ず医師に確認しましょう。
リスク4:色素脱失やシミが残る可能性
まれなケースとして、メラニンが過剰に破壊され、その部分の肌の色が白く抜けてしまう色素脱失(白斑)が起こる可能性があります。
また、シミの深さや種類によっては1回の施術で完全に消えず、 シミが残る こともあります。
【安全第一】「シミ・肌質改善」の黄金の組み合わせ
シミを安全に取り除くだけでなく、肌全体のコンディションを整え、美肌を長期的に維持するための「段階的な組み合わせ治療」を推奨しています。
肌状態が安定していないのに、いきなり広範囲に強い治療を行うのは大変危険です。 まずは肌の土台を整えることが成功への近道 です。
おすすめの治療法 (目的と効果)
| 治療の ステ ップ |
治療法 | 目的と 効果 |
|---|---|---|
| ステッ プ1 |
ピコトー ニング または IPL( 光治療) |
潜在的なシミ・ くすみの改善。 レーザーに 耐えられる 肌の基礎 体力を向上 させる。 |
| ステッ プ2 |
ピコス ポット 照射 |
肌が安定した 後、濃いシミ に高出力で 集中的にア プローチ。 |
| ステッ プ3 |
内服薬・ 外用薬 |
内服薬で炎 症を抑え、 色素沈着を 予防。 ハイドロキノ ンなどの外 用薬で排出 を促進 する。 |
このように、最初にピコトーニングやIPLで肌を安定させ、シミの予備軍やくすみを取り除きます。
その後、濃いシミにスポット照射を行うことで、色素沈着のリスクを大幅に減らし、全体的に均一で明るいトーンの肌を目指すことができます。
安心できるオーダーメイド治療
ステップ1: 徹底した事前診断
最新の肌診断機を使用し、シミの種類(老人性色素斑、肝斑、そばかすなど)を正確に識別します。その後、ご自身に合う治療をオーダーメイドでご提案します。
| 項目 | 一般的なシミ (老人性色素 斑) |
肝斑(か んぱん) |
|---|---|---|
| 形状・輪郭 | 輪郭が くっき り している |
輪郭が ぼん やり している (地図状、 もやっと した影) |
| 発生 部位 |
頬、こめかみ 、手の甲など、 紫外線の当た りやすい場所 に 単発 で現 れる |
頬骨のあた り に沿って 現れること が多い。 額、口の 周り、鼻の 下にも現 れること がある |
| 左右対称性 | 左右非対称 に 現れること が多い |
左右対称 に、 同じような 形・濃さで 現れるのが 特徴的 |
| 色の 濃さ |
比較的 濃い 茶褐色〜 黒色 |
薄い 茶色や 薄褐色 (グレーが かって見え ることも ある) |
| 主な 原因 |
紫外線 に よる長年の ダメージ、 加齢 |
女性ホル モン の変動 (妊娠、 ピルなど)、 摩擦 、スト レス、 紫外線 |
| レーザー 治療 |
高出力の スポット 照射 が 有効 |
高出力照射 は禁忌 。 低出力の ピコトー ニング 、 内服薬が 基本 |
ステップ2: 肌状態の確認
施術前の肌の乾燥度や炎症レベルをチェックし、不安定な場合はトーニングや内服薬からスタートするなど、無理のないプランをご提案します。
ステップ3: ダウンタイムの最小化
強引な治療は行わず、ダウンタイムを最小限に抑えつつ、最大の効果を目指す計画を立てます。
まとめ
ピコレーザーによるシミ取り治療は、ダウンタイムが短く、高い効果が期待できる優れた施術です。しかし、安価な「シミ取り放題」という言葉に惑わされることなく、冷静にリスクを理解することが成功への鍵となります。
シミの種類は人それぞれで、最適な治療法は異なります。レーザーを当ててはいけないシミがあることも事実です。
大切なのは、まずクリニックで ご自身のシミの種類や肌状態を正確に知る ことから始めることです。
信頼できる医師による適切な診断と、炎症後色素沈着を防ぐための治療計画(ステップ1〜3のような計画的なアプローチ)に従うことで、安全かつ効果的に理想の肌を目指しましょう。
Q&A
Q1. 間違えやすいシミと肝斑の見分け方はありますか?
A. ご自身のシミが「左右対称に、頬骨のあたりにもやっと広がっている」ように見える場合は、肝斑の可能性が高いです。
肝斑は強いレーザー刺激で悪化するリスクがあるため、自己判断せずに、正確な診断のために美容皮膚科にご相談いただくことを強くおすすめします。
Q2. シミの予備軍やくすみを取り除くのに必要なピコトーニングやIPLの回数は?
A. シミの予備軍やくすみを取り除くために必要なピコトーニングやIPL(光治療)の回数は、患者様の肌の状態や目指すゴール、シミ・くすみの深さによって異なります。
一般的な目安はピコトーニングの場合は5~10回、IPL(光治療)の場合は3~5回を推奨されることが多いです。
上記はあくまで一般的な目安であり、シミの予備軍は、紫外線によるダメージの深さやメラニンの量に個人差があります。
まずは一度カウンセリングにお越しいただき、医師にご相談ください。